田嶋征三展に行く

 福山美術館で絵本作家の田嶋征三展をやっているので見に行った。
この人の絵本は、飛べバッタ、力太郎、畑歌と印象に残るものが多く見に行くのが楽しみだった。

 絵本製作だけに集中するために、自給自足生活をし、山羊のしずかシリーズで当たると、その売り上げで過ごす平穏な生活に耐えきれず、そのシリーズを出版社と喧嘩して絶版にするなど常に、ギリギリのところに製作の基盤を置いてきたとのことが作品からうかがえた。
あまりの迫力で、子供が引きつけを起こし、絶版になったという蜘蛛女の絵本は、なるほど引き付けになる子が出るのも分かるものであった。

 廃校全体を木の実を使うなどして、一冊の絵本とする試みなどこの人以外では思いつかないような発想に触発され、快い時間を過ごすことができた。