原節子 輝くばかりの 美しさ

 BSプレミアムで「安城家の舞踏会」を見た。吉村公三郎監督、原節子主演の映画である。華族の没落をテーマにした作品であるが、日本にも華族があり、戦後それが幻のごとく消えて行ったという話である。

 大柄で彫りが深く、日本人らしいとはいえないくせに、優しさと明るさがオーラのごとくあふれる日本を代表する女優である。
 没落する中でこのような舞踏会を開くことはあり得ないとは分かっていながら、このような舞踏会を催さずに一つの社会が終わっていいはずがない訳である。

 教養が個々に要求された古き良き時代の映画という印象が強い。