平成の 私小説 さもあらん!

 昨日、広島に帰る高速バスの中で、平成の私小説作家西村賢太の随筆集「一日」を読んだ。

 苦役列車が映画化され、話題になっていることもあり、読んだのであるが、私小説作家としての自覚の半端ではないことがわかり、感動した。

 葛西善三、田中英光川崎長太郎、そして、藤澤清造彼らの小説を舐めるように読み、自分が書くのはこのジャンルしかないとしがみつくように書く様子は鬼気迫るものがある。

 私小説作家の苦しみを痛いほどわかり、その私小説を極めるしかない己の性を嘲笑いつつ、自分の傷をなぶっては吠える。うーん!

 どうしても目を離せない存在である。