小沼丹 その存在に 気づかされる

 大島一彦氏の「小沼丹の藝 その他」を図書館で借り、小沼丹という人の存在感に気付かされた。

 まずその風貌が素晴らしい。井伏鱒二の弟子ということであるが、その飄々とした氏の風貌をまねではなく、しっかり受け継いでいる。

 芥川賞候補となりながら、ちょうど吉行淳之介、次には遠藤周作とぶつかって逃すなど、その不運なところも何故か魅力的である。

 このような人のことを知らずに過ごしてきたのは、真にもったいなかった。

 是非、その作品をじっくり読んでみることにしよう。