時代小説 佐伯泰英 面白い

 文庫本で驚異的な読者数を誇る佐伯泰英という人がいる。

 文庫書き下ろしというスタイルで売り上げ数1000万冊という。

 先年亡くなった児玉清氏との対談をテレビで偶然見て興味を持った。居眠り磐音シリーズなど確かに面白い。

 今回図書館で「惜櫟荘だより」というエッセーを借りた。彼は堀田善衛の下でスペインに居候をしながら闘牛写真家であったり、冒険小説家として生計を立てていたようである。出版社から、時代小説か官能小説しかうちでは引き受けかねると言われ、仕方なく時代小説を書いたのが始めという。

 読書家として名高い児玉清に絶賛され、売文小説との劣等感から解放されたようである。

 この「惜櫟荘だより」筆者が熱海の岩波の別荘を引き受けてその建築に惚れ全面改装補修をする経緯が書かれており大変面白い。