サイレント 驚くほどに 面白い

 小津安二郎の「浮草」、成瀬巳喜男の「生さぬ仲」など、サイレント映画をユーチューブで最近多く見ている。

 「浮草」は小津自身のリメイクで「浮草物語」として撮られ、これも名作であるが、サイレントの方がむしろ良いくらいである。

 小津や成瀬等が80年ぐらい前に撮った映画が、新鮮な輝きを持っていることに驚きを感じる。戦前の日本は暗黒の時代であったというアメリカとマスコミの情報操作をそのまま鵜呑みにしていたが、都市は案外今と比べてもそん色なかったのではないか。

 ハイカラな考えを持った個性的な文化人が数多くいたと考えていいようである。

PS.サイレントではないが、成瀬巳喜男の「旅役者」が、藤原釜足の主演映画でとぼけた佳作であった。のんびりした味のあるものを良く撮ったものである。