橋本の 源氏物語 盛り上がる

 橋本治源氏物語を5巻(薄雲)まで読み進めた。この人の訳は、気品、格調などは感じられない。しかし、鬼気迫るものを伝える力を持っている。大した才能である。

 天皇が不倫の子であり、天下が乱れている原因がそこにあることを、老僧が天皇自身に向かって言いきり、天皇がその後取り乱すところなど圧巻である。

 しかし、源氏物語がこの内容で、現代まで称賛され伝えられていることは日本文化の底深さであると思う。