上野千鶴子の 本を読む

 このところ、電車で授業の予習をする悪い癖がつき、本をまともに読んでいない。

 久しぶりにブックマーケットでゲットした上野千鶴子の「サヨナラ学校化社会」を列車内で読んだ。学校化社会というテーマは宮台真司が用いる用語でそれに絡んだものかと思い買ったのであるがあたりであった。

 この人は京大の4年先輩にあたるようである。京大の文学部の発想を勇ましく見せてくれており、面白かった。
 KJ法によるリサーチの方法など、具体的であった。東大の学生と京都精華大学の学生を並べて比較するところなど京大らしい切り口である。
 また、学校の生徒を無報酬の被教育労働者、病院の患者を無報酬の被医療労働者という発想は面白かった。確かにこれらの現場は彼らの労働があってこそ初めて成り立つ。

 社会学者というものは面白いことを考えるものである。