幸田文 流れる を読む

 幸田文の流れるを読んだ。

 幸田文の名作であるが、図書館の倉庫に閉架として眠っていた。

 花柳界に飛び込み、体当たりして、その内実を素人の観察眼を保ちながら、描き切っている。

 人間臭い深い味わいがある。玄人の世界の凄みを決して美化することなくまた、さげすみの目で見るでもなく、素人の世界にはない奥行きを感じさせ、素晴らしい。

 いつか映画も見てみたいものである。