救われぬ 醜き敵に わが身見る

 五木寛之新聞小説親鸞」を毎日楽しみに読んでいる。京都から越後に流され、現在関東で教えを広めているところである。この小説は大変実話からかけ離れた部分を含んでいると思われるが、伏見平四朗という悪の塊のような男が、親鸞と因縁を深く持ち、執拗に親鸞にからむ。それも彼の身内を凌辱し殺したり、おとりとしたりして、親鸞を辱め危害を加えることをやるのである。この男が今までに2回大立ち回りをして死んだと思われてはよみがえっている。
 今回3回目の大立ち回りが続いており、いい加減にしろというところであるが、思うにこのように悪い奴がこのまま死なず、親鸞の醜い部分の裏返しとして、救われる話に変わっていくことになるのかとここまで来て思い始めた。
 この人物を救う話を、納得のいくように持っていくことはとても難しいと思うが、どのように進めていくものかと楽しみである。