自由律 豊かな躍動 素晴らしい

 住宅顕信という自由律俳人がおり、25歳で白血病のため亡くなった。中卒で料理学校に働きながら通い、卒業後仏教に惹かれ働きながら通信制で資格を得、得度し、坊主となった。早くに年上の女性と結婚したが22歳で白血病を患い、そのため子を引き取って離婚した。闘病中の2年半に281句を作ったそうである。

 見上げれば 大きな空がある

 ずぶぬれて 犬ころ

 かあちゃんが言えて 母のない子よ

 洗面器の 中のゆがんだ顔 すくいあげる

 尾崎放哉や山頭火に心酔していたようだが、躍動感があり、独自の世界を作り出している。彼の生誕50周年記念展が今岡山で行われているという新聞記事を発見した。行ってみなければならぬ。