乙女小説 涙ぼろぼろ 読み進む

 吉屋信子の「あの道この道」を昨日広島に行く車中で読んだ。これが面白い。小学生の時読んだ江戸川乱歩の少年探偵団や滝沢馬琴の鎮西弓張り月に匹敵する。話に夢中になり、車中にもかかわらず、涙がボロボロ出て恥ずかしかった。

 小林秀雄が大流行作家である彼女の作品を数ページ読んでだめだと言ったそうである。彼女はこれにかみつき、「私には読者がついている。」と言ったという。私も吉屋信子に味方する一人である。