少女小説 吉屋信子に 涙うるうる

 吉屋信子の「三つの花」を読んだ。

 漫画家のそるぼんぬけーこの解説によるとまさに少女漫画の王道を築く礎ともなる作品だそうである。

 この人の作品を小林秀雄が酷評したとのことであるが、さもありなんである。
 しかし、立派な国民的小説であるところが何とも言えない。人情小説や江戸川乱歩のような怪奇小説のような迫力と素晴らしさがある。文学的こだわりから言うと問題はあるのだろうが、その様なものを超えた力がある。