津村節子 純文学夫婦の すさまじさ

 津村節子の「瑠璃色の石」を読んだ。夫吉村昭との出会いから作家としての苦節時代を描いた自伝的小説である。

 作家の厳しい生活。毎年のように作品を書き続ける執念。

 田村虎彦、瀬戸内晴美等の実名で出てくるが、皆貧しく、戦って生きている様子が痛々しい。

 最後に、若さをもらえてもあの苦労を伴うのは御免であるという言葉に重みを感じた。