土筆取り 恥じらい忘れ 目を皿に

 芦田川沿いを走っている。雨上がりで、土手に土筆があるかもと眺めて見た。

 娘が小学生のころは、休みの日に一緒によく取りに出たものである。苦みのある味は大好きで一家で喜んで食べたものである。

 この春、時間はたっぷりあり、天気も良かったので、土筆をとって見ようかと思ってはみたものの、平日に暇げにいい大人が土筆をとっているなど、情けないではないか。

 その様な恥ずかしい事はできない。ということで、土筆には見向きもしなかった。今日は雨上がりでこういう日は、土筆が盛んにはえる。との記憶をたどりながら、とる気は持たずに土手を眺めて見た。一つ二つ目について取り始めたら、もう恥も外聞もない。目を皿にして、土手をはいずり回り、両手いっぱいの土筆をゲットした。

 土筆を両手に握りしめて帰る途中ツバメが飛ぶのを確認した。春爛漫である。